2007年02月26日

日本人の死に時

最近、知人が「本を読む時間が少ないのが悩み」となげいていた。
本当に忙しい生活なので、なんともいえず
「たいへんだね」という言葉しか返せなかった。

その方の名誉のために申し上げておくと
知人のいう「本」とは「仕事関連以外の本」ということで
仕事に直接関係する本は読まれているということは補足させていただく。

それから考えれば、私などジャンルを問わず雑読できるということは
なんと幸せなことだろうかと思わずにはいられない今日この頃。
そんな雑読生活の中で、今年ダントツによかったし、これを上回るものに
今年は出会えないだろうと思う新書が
久坂部 羊著『日本人の死に時-そんなに長生きしたいですか-』
(幻冬社新書)である。

本屋でタイトルを見た瞬間に即買いし
一気に読んで「よくぞ書いてくださった」と感動した。
実は、最近知人と
「医療は、何をして、何をしなくて、何をしてしまったのだろう」
という会話をしていたところだったので
余計に感動したのかもしれない。

個人的な話で恐縮であるが、最近自分が
「生命力はあるが長期間生存執着欲(表現が難しい)が低い」という
ことに気づいた。

それに気づいたきっかけは
先日ある60歳前後の知り合いの女性に
私は寝る直前に夕食(夜食)を食べることがよくある、と話したら
「あんたそんなことしたら早死にするで!」と
たしなめられたからである。

言われた瞬間
「え、それはそれで仕方がないよね、それも人生だから」と思ってしまった。
ちなみに私が寝る前に食べるのは
寝る前に食べるのはよくないということは承知の上で
食べたいとおもう自分の欲求に逆らわない、という方を
選択したからである。

そこは自己責任だから、寝る直前の食事が原因で
早死にしても誰にも責任転嫁はしない。
まあそのまえに逆流性食道炎になる可能性のほうが高いと
勝手に思っている。

60歳の人に死に時を考えなさいというのはむずかしいけど
30歳の人ならまだ少し余裕があるから
早めに死に時を考えなさい、とこの本に書いてあるので
この本に敬意を表し、ここで死に時を考えておきたい。

基本的には、いつでもいい。
というか、それはそれで仕方がないと思っている。
「そのとき」がきたら、たぶん「そのとき」が寿命だろうから。
でもひとつの区切りとして「60歳」としておきたい。

60歳で、たとえば明日の準備とかをして
眠ってそのまま逝けたらいいなと思う。
頭の中に、翌日の楽しいことをいっぱいつめたまま
逝くことができたら、どんなに幸せだろうと思う。

残念ながら、ほとんどそうはならないことを知っているから
せめて理想は高くしておく。
書いていて気づいたが
死に時の理想を高くしたいという欲は、どうやらあるらしい。(笑)

もし、この本を読むのがこわいと思われる方は
「はじめに」と「おわりに」だけでもどうぞ。
現場を知っている人間にしか書けない名著だから。

投稿者 Taniguchi : 14:42