« 2009年01月 | メイン | 2009年04月 »

2009年03月01日

大山康晴[新装版]『勝負のこころ』PHP研究所 2009年

このところ、日本55選を受賞した、と報告をする日々が続いた。
返ってくる反応が人それぞれで、語弊があるかもしれないがおもしろい。

その中で、とある方から来たメールには、祝辞とともに
「今度将棋をしましょう。」と添えられていた。

とんでもない。
まだまだ人様と打てるレベルではない。
でも、いつか人様と打てるかも、と思った出来事をひとつ。

この間、関西将棋会館のエレベーターで
プロ棋士で「あろう」年配の方と一緒になった。

プロ棋士の顔を知らないがために大恥をかいた私は
以降、顔を覚えるよう努力している。
しかし「動く棋士」を見ているわけではないので
いざ目の前にすると、非常に困る。
どこかで見たことがある、ああでもわからない。

わからないけど、とにかくここはプロ棋士として
対応しよう、ととっさに思った。
(失礼きわまりない。)

対局室は5階だからとにかく5階を押しておこう。
(消極きわまりない。)
すると、にっこり笑って事務局のある3(階)を押された。

あせらなくてもいいのに、どうしよう、どうしよう、と
あせっていると、その方が話しかけてこられた。

「今日は、レディースセミナーですか。」
平静を装いながら答える。
「はい、そうです、でもなかなか上達しません。」

誰も私の状況など聞いていないが
緊張を打開したいがための防御反応が出た。

するとその方は、私が入門セミナーの生徒だと思われたらしく
「1手詰めが解けるようになると上達しますよ。」
とおっしゃった。

ここで、そうですねと返せばいいものを、
いま3手詰めです、と言えばいいものを、
「6枚落ちで勝てません。」
と答えてしまった。

答えた瞬間、会話が成立していないことに気付き
軽くブルーになっていると3階についた。
ああ、間抜けな生徒だと思われたかな、
これで他の女性の実力まで低いと思われたら嫌だな、
と思っていると、降り際に笑いながらこうおっしゃった。

「中盤ですね。」

え、と思った。
私、中盤なのか!?
これが生徒を続けさせる決め台詞なら私は見事にひっかかっている。
確実にその後テンションが上った。

しかし、だからといって、その後の6枚落ちに勝てるわけではない。
その日も突破できずに終わった。
でも中盤だと言われてから、ちょっと自分の中で
将棋への取り組み方が変わったのは確かである。

将棋を習い始めて最初に感じたことは
「将棋って、考え方が仕事と同じだ。」だった。
それが、しばらくすると
「将棋って、考え方が人生と一緒だ。」になった。

そんな頃、立ち寄った本屋でこの本を買った。
読み終えて思った。
「やっぱり!!」

電車の中で鉛筆を持ちながらこの本を読み
そうだよねえと一人で頷きながら線をひっぱっていると
「アンタ、何読んでんの?!」という視線が刺さる。
本の表紙をオジサンに「ガン見」されたことは一度ではない。

「オバサンのツラしたオッサン」と呼ばれているから
いまさら、誰に何を思われようが構いません。

持ち歩きに便利なサイズなので、カバンの中にぜひ。
1050円で人生学べると思います。

投稿者 Taniguchi : 18:40 | コメント (1)